3月になりました。2月に実施された衆議院選挙は自民党の歴史的な圧勝となりました。1月の本欄で「大きな時代の転換期を迎えつつある」と書きましたが、ここまでの急激な転換は予想していませんでした。自民党1強にも功罪両面あり、マスコミでは「罪」を煽る報道も目立ちますが、1人の国民として結果・現実を真摯に受け入れ、まずは新体制の「功」を期待したいと思います。
「行雲流水(こううんりゅうすい)」という言葉があります。雲が空を流れるように、水が河を流れるように、何かに固執することなく自然の大きな流れに身を任せること、転じて「悟りの境地」を表していると言われています。振り返れば、若くエネルギー溢れる頃は、大きな流れに抗うことで自分のレーゾンデートルを訴えていた気がします。歳を重ねるとともに、拘ることも少なくなり、良くも悪くも「行雲流水」の領域に近づいているのかもしれません。
我々が従事するITの歴史は時代の変化の歴史でもあります。私が学生時代は、コンピュータは学校にしか無いものでした。就職しても一部の部署に「オフコン」と呼ばれる機械がある程度。やがて稟議はワープロになり、ひとりひとりがパソコンを持ってメールが飛び交うようになり、オフィスの風景は大きく変わりました。言い換えれば、ITがオフィスにも、生活にも、新たな変化を促し、仕事の生産性や生活の利便性を向上させて来たと言えるでしょう。上述の通り、変化には功罪あり、一方ではIT化が情報過多を生み、過剰労働や精神的なストレスを高めてしまった面も否めません。
当社はベテランの知見・経験をお客様にご提供していますが、「経験」の中でも一番大切なのはこうした「変化の経験」なのだと思います。長いキャリアのなかで、時代の変化を最前線で実際に体験していることは何事にも代えがたい経験です。今のシニア世代は、様々な時代の転換期を逞しく生きて来ました。そうした経験を次の世代に確りと繋げ、変化のもたらす功罪の「罪」ばかりを指摘したり批判したりするのではなく、「功」を少しでも次の世代が享受できるよう貢献していくことが、先の時代を生きて来た人間の責務ではないかと思うのです。
廣瀬
