~桃李成蹊~ 還暦オヤジの独り言

column

2024.07.01   ~桃李成蹊~ 還暦オヤジの独り言

7月を迎えて ~「看々臘月尽(みよみよ ろうげつ つく)」~日々を精一杯生きる

7月になりました。今年は観測史上2番目に遅い梅雨入りとのことです。気温が上がるうえに雨の日が続くこの時期は、湿度のせいか、歳のせいか、肩や腰が痛くなるのが辛いところです。一方で、毎年7月あたりから公私ともに宴席が増え、懐かしい人と再開出来るのが楽しみです。

そうしたなか、前職で大変お世話になった方が鬼籍に入られました。私とは年齢も近く、組織を離れても変わらずお付き合いさせて頂いて来ました。数カ月前には元気に盃を交わしたばかりなので、聞いた時の驚きとショックは言葉で言い表せません。会社員、組織人としてのキャリアを終え、さぁこれから、という時だったと思います。親しい人との別れは、若い頃は悲しみばかりでしたが、今は自分自身の生き様に重ね、様々な思いが交錯します。

「看々臘月尽(みよみよ ろうげつ つく)」という言葉があります。臘月とは12月、口語にすれば「時間が経つのは早いものだ、もう年末だ」「気がつけば今年も終わるなぁ」といったニュアンスでしょうか。そこからこの言葉が教えているのは「人生は短い、あっという間に終わってしまう」ということです。先日、大学時代の同級生と集まった時に「いくつまで生きるか」という話になりました。「90歳まで、あと30年は生きるぞ」という人がいれば、「健康年齢はあと10年しか無いぞ」という人もいて、それぞれの人生観が分かる面白い会話でした。あと何年残されているのかは誰にも分かりませんが、全員に共通して言えるのは「時間には限りがある」ということ。今出来るのは、「臘月が尽きる」時に後悔しないよう、限りある時間を無駄にせず、日々を精一杯生きる、ということだけなのではないかと思います。

長いサラリーマン生活のなかで、嘘をつく人、先輩や仲間を裏切る人など、人として疑うような姿を目の当たりにしてきました。組織のなかで生き残っていくための行動なのかもしれませんが、そうした人がいずれ組織を離れ、一人の人間として「臘月が尽きる」ことを感じたときに、「精一杯生きた」と胸を張って周囲に言えるのでしょうか。。。コーラルテックは小さな組織ですが、縁あって参画してくれた仲間には、生活も、仕事も、いずれ振返ってみたときに「精一杯生きた」と胸を張って言ってもらえるような時間を提供したい、と思っています。ひとりひとりが安心して身を置ける組織・職場であることは、お客様に質の高いサービスをご提供し、喜んで頂くための第1歩、とも思うのです。

廣瀬

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