~桃李成蹊~ 還暦オヤジの独り言

column

2025.01.06   ~桃李成蹊~ 還暦オヤジの独り言

新年を迎えて~「一陽来復(いちようらいふく)」~新たな環境に適応する

あけましておめでとうございます。
2025年になりました。2024年は元日の能登半島地震、翌日には羽田空港で旅客機と海上保安庁の輸送機が衝突炎上するというショッキングな災害・事故から始まりました。政治的には、2023年から続く裏金問題で自民党派閥が解散、秋の衆院選に大敗し、自民党1党支配が終焉するなど、大きな変化があった1年でした。個人的には、2024年は「エスタブリッシュメント崩壊」の1年だったと感じています。政治のみならず、エンターテイメント界に君臨していたジャニーズ帝国の崩壊、演劇界の頂点を極めていた宝塚歌劇団のパワハラ問題、ビッグモーター事件を契機に明らかになった保険業界の実態、そして極めつけは三菱UFJ銀行、野村證券、三井住友信託銀行と「信用の象徴」であるはずの大手金融機関で次々と発覚した耳を疑うような事件の数々。。。

とりわけ、私自身も長い間身を置いて来た金融業界で起きた様々な事件については考えさせられました。小さな会社に転じて改めて感じるのは「環境適応」出来ない大きな組織の脆さ。特にIT技術や通信能力が飛躍的に向上したこの10-20年の間、ビジネスを取り巻く環境、就中情報量とスピード感は大きく変わりました。大手金融機関のように、いったん出来上がった「エスタブリッシュメント」では、環境変化に応じて臨機応変にやり方を変えたり、過去の決定を覆すような判断を行うことは、周囲が想像する以上に難しいものです。図らずも、目まぐるしく変わる外部環境と変われない既存組織とのギャップが露呈した1年であったように思うのです。

「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉があります。新年を迎える言葉として、掛軸や年賀状などに良く使われますので、ご存知の方も多いと思います。もともとは冬至を迎えて暦が「陰」から「陽」に変ると、日照時間が一番短い日が終わり、これから日照が回復して行く、という意ですが、転じて寒い冬が終わり、暖かい春が来ること、更には悪い事が続いたあと、これから幸運に向かう、といった意味も持つことから、縁起の良い言葉として広く親しまれています。

今年は巳年、「脱皮できない蛇は死ぬ」と言います。当社もこの巳年を通じて「成長出来た」と思えるよう、受け身に春の到来を待つのではなく、新たな環境に積極的に適応し、自ら「脱皮」し、逞しく過ごして行きたいと思います。2025年がご縁を頂いている皆さまにとって、コーラルテック役職員全員にとって、健康で充実した1年となることを祈念しています。

本年もよろしくお願いいたします。
廣瀬

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